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Chapter2 建設工事と請負・下請契約について 建設業の法務・労務

建設業法・ガイドライン

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■ガイドラインの11項目の規定
建設業法令遵守ガイドラインには、11項目が規定されています。規定されている内容について確認します。

① 見積り条件の提示
建設工事の元請負人は、下請負人に見積りを依頼する場合には、工事の内容や契約条件を 具体的に示さなければならないことが建設業法に規定されています。適正な下請負金の額を決定するためには、下請負人にしっかりとした情報提供を行うことで、十分な見積りを提出させるためです。元請負人が下請負人に工事の内容を明確に示さないと、元請負人は建設業法違反となる可能性もあるのです。
元請負人が下請負人に見積りを依頼する場合には、工事の名称、施工場所、下請工事の工程、施工環境といった事項を下請負人に提示する必要があります。また、これらの事項を提示する際には、書面にて行います。
原則として、下請負人の見積り期間としては、工事予定金額 が500万円未満であれば1日以上、500万円以上5000万円未満であれば10日以上、5000万円以上であれば15日以上を確保しなければなりません。

② 書面による契約締結
建設工事の請負契約を締結する当事者は、契約の内容を記載した書面を作成しなければなりません。また、工事の着工前に作成する必要があります。後に請負契約に関しての紛争防止ために、書面の作成が義務付けられているのです。
この書面には、工事内容、請負代金の額、工事着工の時期・工事完成の時期、請負代金の支払方法、工事の施工により第三者に損害を与えた場合の賠償金の負担、工事完成後の検査の時期などについて記載しなければなりません。また、一定規模以上の解体工事を行う場合には、分別解体の方法や、解体工事に必要な費用についても書面に記載する必要があります。追加工事を行う場合にも、その工事の内容を記載した書面を作成する必要があります。この書面は追加工事を行う前に作成しなければなりません 。
なお、書面を作成しなかったとしても、請負契約が無効になるわけではなく、請負契約は成立します。

③ 不当に低い請負代金
元請負人は、自分の地位を不当に利用して、通常必要な原価に満たないほどの請負金額で、下請負人と請負契約を締結してはいけません。下請負人は元請負人と比べて弱い立場にあり、それ故に、不当に低い請負金額での請負契約の締結を強要されても、拒否するのは困難です。下請負人が不利益を被る可能性があるため、不当に低い請負代金での請負契約の締結は禁止とされています。
「通常必要な原価」とは、材料費や現場管理費といった工事を行う際に通常必要な費用をすべて合わせた価格になります。この価格よりも低い価格で請負契約が締結されれば、下請負人が不利益を受けてしまいます。

④ 指値発注
指値発注とは、元請負人が下請負人と十分な協議をせず、元請負人が指定する価格で下請負人に対して請負工事を受注するよう強いることをいいます。指値発注は、建設業法違反となる可能性があります。また、指値発注をする際に、下請負人に十分な見積の期間を与えなければ、この点でも建設業法に違反する可能性があります。元請負人としては、自ら一方的に請負金額を指定するのではなく、下請負人と十分に協議をして請負金額を決定することが必要なのです。

⑤ 不当な使用機材等の購入強制
建設工事を行う際に、下請負人が元請負人から、建設工事に必要な資材等を購入する場合があります。下請負人が自らの意思で元請負人から資材を購入するのはいいのですが、元請負人が下請負人に対して資材等の購入を強制することは禁止されています。
下請負人は、従前から元請負人とは別の業者から資材を購入している場合では。元請負人との力関係上、止むなく元請負人から資材を購入すると、従前から資材を納入してもらっている業者との関係が悪化することもあります。また、他に安く資材を提供する業者があるにもかかわらず、元請負人が高い値段で下請負人に資材を購入させていれば、下請負人は不当に不利益を被ることになります。
それ故に、元請負人が下請負人に対して建築に必要な資材等を購入するように強要することは禁止されています。
資材の購入先の指定は、請負契約の締結前に行われるのであれば、下請負人は見積書に資材の購入代金を反映させることができるため、基本的には問題はありません。逆に、契約締結後に資材の購入先を元請負人に指定されると、下請負人は不測の損害を被る場合もありえます。 なお、下請負人が元請負人から資材を購入することに反対したとしても、元請負人の資材の販売価格が低いのであれば、下請負人に損害が生じないので、元請負人が下請負人に資材等を購入させることは認められます。

⑥ やり直し工事
下請負人の責に帰すべき事由がないにも関わらず、元請負人が下請負人に工事のやり直しを命じることは、原則として禁止されています。元請負人が、下請負人の責に帰すべき事由がないにも関わらず工事のやり直しを求める場合には、元請負人と下請負人との間で十分に協議をしなければなりません。また、工事のやり直しは、新たな請負契約を締結していることになり、やり直し工事の内容を書面にする必要があります。
さらに、下請負人の責に帰すべき事由がなければ、やり直し工事の費用は元請負人が負担することになります。逆に、下請負人の責に帰すべき事由があれば、下請負人が費用を負担してやり直し工事を行います。なお、「下請負人の責めに帰すべき事由」とは、下請負人の行った工事が事前の契約内容と異なる場合や、工事に欠陥がある場合のことを指しています。

⑦ 赤伝処理
赤伝処理とは、元請負人が下請負人に対して下請代金を支払う際に、振込手数料や建築廃棄物の処理に必要になった費用などの諸費用を下請代金から差し引くことをいいます。
赤伝処理は、直ちに建設業法に抵触するものではありませんが、赤伝処理をすることについて元請負人と下請負人の間で合意をしていない場合や 、赤伝処理の内容を契約書の中で明示していない場合には、建設業法に抵触する場合もあります。

③ 工期
工期が変更となった際には、当初の請負契約と同様に変更契約を書面で締結しなければなりません。また、下請負人の責に帰すべき事由がないにも関わらず、工期が変更になって、これに起因する下請工事の費用が増加した場合は、元請負人がその費用を負担する必要があります。これに違反して、元請負人が工期変更に起因する増加費用を下請負人に一方的に負担させることは建設業法に抵触する場合があります。

⑨ 支払保留
下請負人が工事を完成し、目的物を元請負人に引き渡したにも関わらず、元請負人が長期間に渡って下請代金を支払わないような場合には、建設業法に抵触する可能性があります。元請負人が注文者から請負代金の支払いを受けた場合には、1か月以内に下請負人が完成させた建築物の部分に対応する下請代金を、元請負人は支払う必要があります。注文者から支払われた請負代金を元請負人が下請負人に支払う事を促進するために、元請負人には早期に下請負人に対して代金を支払うことが義務付けられています。下請代金の支払期日が、元請負人が注文者から請負代金の支払いを受けた日から1か月を超える日とされている場合には、下請負人は元請負人が請負代金を受け取ってから1か月を経過した時点から、下請代金を請求することができます。

⑩ 長期手形
元請負人が下請負人に対して、割引が困難な手形を用いて下請代金の支払いをすることは、建設業法に抵触します。 具体的にどのような手形が割引困難となるかについては、振出日から支払期日までの期間が120日以上を超えているかどうかが一つの基準です。この期間が120日を超えていれば、割引困難な手形とされる場合があります。

⑪ 帳簿の備付及び保存
建設業者は、営業所ごとに、営業に関する帳簿を備えて、5年間保存する必要があります。その帳簿には、営業所の代表者の名前、注文者と締結した請負契約の内容、下請負人と締結した下請契約の内容といった事項を記載する必要があります。また、契約書の写しなどをこの帳簿に添付する必要があります。帳簿の備付と保存は、元請負人か下請負人かといったことに関係なく、すべての建設業者が行なわなければなりません。
なお、平成21年10月以降については、発注者と締結した住宅を新築する建設工事にかかるものについては、帳簿の保存期間が10年間と規定されています。

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