■防水工事とは
防水工事とは、アスファルト、モルタル、シーリング材などを使って防水を行う工事のことです。
■防水工事の該当工事
防水工事、アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事
塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事が該当します。
■防水工事の許可取得のための要件
1.建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者
(1)経営業務の管理責任者等の設置(建設業法施行規則第7条第1号)
建設業の経営は特徴があり、適正な建設業の経営ためには、建設業の経営業務について一定期間の経験を有した者が必要だと考えられています。
そこで次の要件を満たすことが必要とされています。
許可を受けようとする者が法人である場合には常勤の役員のうちの1人が、個人である場合には本人または支配人のうちの1人が次のいずれかに該当することが必要です。
1. 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者であること。
2.建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者であること。
3.建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者であること。
4-1.建設業に関し、二年以上役員等としての経験を有し、かつ、五年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る。)としての経験を有する者
に加えて、
常勤役員等を直接に補佐する者として、当該建設業者又は建設業を営む者において「財務管理の業務経験」、「労務管理の業務経験」、「運営業務の業務経験」について、5年以上の経験を有する者をそれぞれ置く(一人が複数の経験を兼ねることが可能)ものであること
4-2.五年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、二年以上役員等としての経験を有する者
に加えて、
常勤役員等を直接に補佐する者として、当該建設業者又は建設業を営む者において「財務管理の業務経験」、「労務管理の業務経験」、「運営業務の業務経験」について、5年以上の経験を有する者をそれぞれ置く(一人が複数の経験を兼ねることが可能)ものであること
*(参考) ここでいう法人の役員とは、次の者が該当します。
・株式会社又は有限会社の取締役
・指名委員会等設置会社の執行役
・持分会社の業務を執行する社員
・法人格のある各種の組合等の理事
経営業務の管理責任者等の設置は許可要件のため、経営業務の管理責任者等が退職し、不在となった場合は要件欠如で許可の取消し(建設業法第29条第1項第1号)となります。
このため、このような不在期間が生じないよう、あらかじめ上記要件を満たす者を後任とするなど、事前準備が必要です。
(2)適正な社会保険への加入(建設業法施行規則第7条第2号)
健康保険、厚生年金保険について、適用事業所に該当する全ての営業所で、その旨を届け出ていることが必要です。
雇用保険について適用事業の事業所に該当する全ての営業所にて、その旨を届け出ていることが必要です。
2.専任技術者
(1)専任技術者の設置(建設業法第7条第2号、同法第15条第2号)
建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行のためには、許可を受けようとする建設業の建設工事についての専門的知識が必要です。見積、入札、請負契約締結等の建設業に関する営業は各営業所で行われます。
したがって、営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して、一定の資格または経験を有した者(専任技術者)を設置することが要件とされました。
この専任技術者は、許可を受けようとする建設業が一般建設業であるか特定建設業であるか、また建設業の種類により、それぞれ必要な資格等が異なります。
また、専任技術者は、「その営業所に常勤していること」が必要とされます。
なお、経営業務の管理責任者と同様、専任技術者の設置も許可要件の1つであるため、許可を取得した後に専任技術者が不在となった場合は許可の取消しの対象等になります。
一般建設業と特定建設業では要件が異なりますので、場合わけして説明します。
【一般建設業の許可を受けようとする場合】
①-1指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、高校卒業後5年以上若しくは大学卒業後3年以上の実務経験を有し、かつ、それぞれ在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者
①-2指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上実務の経験を有する者又は専門学校卒業後3年以上実務の経験を有する者で専門士若しくは高度専門士を称する者
・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、専門学校後5年以上の実務経験を有し、かつ、在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者
・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、専門学校後3年以上の実務経験を有し、かつ、在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者のうち、専門士又は高度専門士を称するもの
*専門士は専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規定(平成6年文部省告示第84号)第2条、高度専門士は同告示第3条に規定のものを指します。
*「指定学科」とは、建設業法施行規則第1条で規定されている学科で、建設業の種類ごとにそれぞれ密接に関連する学科として指定されているものです。
②許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、10年以上実務の経験を有する者
③-1国家資格者
営業所専任技術者となりうる国家資格者等一覧へ
③-2複数業種に係る実務経験を有する者
複数業種に係る実務経験を有する者一覧へ
《特定建設業の許可を受けようとする場合》
①国家資格者
営業所専任技術者となりうる国家資格者等一覧へ
②指導監督的実務経験を有する者
前述の【一般建設業の許可を受けようとする場合】の専任技術者要件を満たしている者で、かつ、許可を受けようとする建設業に関して、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上であるものについて2年以上指導監督的な実務経験を有する者
*「指導監督的実務経験」とは、建設工事の設計、施工の全般にわたって工事現場主任や現場監督者のような資格で工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
*指定建設業の許可(下記参照)を受けようとする場合は、この[2]の要件に該当しても許可は取得できません。([1]または[3]のいずれかの要件を満たすことが必要です)
③大臣特別認定者:建設省告示第128号(平成元年1月30日)の対象者
指定建設業7業種に関して、過去に特別認定講習を受け、当該講習の効果評定に合格した者若しくは国土交通大臣が定める考査に合格した者
*「指定建設業」とは、施工技術の総合性、施工技術の普及状況、その他の事情等を勘案して定められた業種で、現在、次の7業種が「指定建設業」として定められています。(建設業法施令第5条の2)
指定建設業→土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業
*上記の「指定建設業」を受けようとする場合に設置しなければならない専任技術者は[1]または[3]の要件を満たすことが必要です。
*上記[3]の特別認定講習及び考査については、指定建設業制度が導入された際に行われたものであり、現在は実施していません。
(注意:法改正があります)
実務経験による技術者資格要件の見直し(令和5年7月1日施行)
建設業法施行規則の改正により、一般建設業許可の営業所専任技術者要件が緩和されます。
技術検定合格者を指定学科卒業者と同等とみなし、第一次検定合格後に一定期間の実務経験を有する者が当該専任技術者として認められることとなりました。
※ 指定建設業(土木一式、建築一式、電気、管、鋼構造物、舗装、造園の7業種)及び電気通信工事業は除きます。
3.誠実性(法第7条第3号)
請負契約の締結やその履行に際して不正又は不誠実な行為をするおそれが明白なケースでは、建設業を営むことは認められません。許可の対象となる法人、個人にはもちろんのこと、その役員等についても同様です。
4.財産的基礎等(法第7条第4号、同法第15条第3号)
建設工事業を営むには、資材、労働力、機械工具などのために「一定の資金」が必須です。
さらに、営業活動を行うためにも資金は必要です。
そこで、現実的に工事を請負うことが可能な資金力が問われ、「財産的基礎等を有していること」が要件となっています。
また、特定建設業の許可を受けようとする場合は、さらに財産的基礎等の要件は厳しいものとなっています。
なお、一般建設業と特定建設業では要件が次のとおり異なります。
【一般建設業】
次のいずれかに該当すること。
・自己資本が500万円以上であること
・500万円以上の資金調達能力を有すること
・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
【特定建設業】
次のすべてに該当すること。
・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
・流動比率が75%以上であること
・資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること
5.欠格要件(建設業法第8条、同法第17条(準用))
許可申請書またはその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合、また、許可申請者やその役員等若しくは令第3条に規定する使用人が次に掲げるものに1つでも該当する場合、許可されません。
*国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の[1]から[14]のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあっては、[1]又は[7]から[14]までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならないと建設業法で規定されています。
[1]破産者で復権を得ないもの
[2]第29条第1項第5号又は第6号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
[3]第29条第1項第5号又は第6号に該当するとして一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消しの処分に係る行政手続法第15条の規定による通知があった日から当該処分があった日又は処分をしないことの決定があった日までの間に第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出をした者で当該届出の日から5年を経過しないもの
[4]前号に規定する期間内に第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出があった場合において、前号の通知の日前60日以内に当該届出に係る法人の役員等若しくは政令で定める使用人であった者又は当該届出に係る個人の政令で定める使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
[5]第28条第3項又は第5項の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
[6]許可を受けようとする建設業について第29条の4の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
[7]禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
[8]この法律、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第32条の3第7項及び第32条の11第1項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
[9]暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者([14]において「暴力団員等」という。)
[10]精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
[11]営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は次号(法人でその役員等のうちに[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者のあるものにかかる部分に限る)のいずれかに該当するもの
[12]法人でその役員等又は政令で定める使用人のうちに、[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者([2]に該当する者についてはその者が第29条第1項の規定により許可を取り消される以前から、[3]又は[4]に該当する者についてはその者が第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、[6]に該当する者についてはその者が第29条の4の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員等又は政令で定める使用人であった者を除く。)のあるもの
[13]個人で政令で定める使用人のうちに、[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者([2]に該当する者についてはその者が第29条第1項の規定により許可を取り消される以前から、[3]又は[4]に該当する者についてはその者が第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、[6]に該当する者についてはその者が第29条の4の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の政令で定める使用人であった者を除く。)のあるもの
[14]暴力団員等がその事業活動を支配する者
※ここでいう役員等とは、以下の者が該当します。
・株式会社又は有限会社の取締役
・指名委員会等設置会社の執行役
・持分会社の業務を執行する社員
・法人格のある各種の組合等の理事等
・その他、相談役、顧問、株主等、法人に対し業務を執行する社員(取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等)と同等以上の支配力を有するものと認められる者か否かを個別に判断される者
⬛建設業許可申請に必要な書類
○法人新規の場合
■建設業許可申請書
■別紙一 役員等の一覧表
■別紙二(1) 営業所一覧表
■主たる営業所所在地見取図
■別紙四 専任技術者一覧表
■工事経歴書
■直前3年各事業年度における工事施工金額
■使用人数
■誓約書
■経営業務の管理責任者証明書
■別紙 経営業務の管理責任者の略歴書
■専任技術者証明書
■実務経験証明書
■指導監督的実務経験証明書
■建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表
■国家資格者等・監理技術者一覧表
■許可申請者の住所、生年月日等に関する調書
■建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書
■株主調書
■貸借対照表
■損益計算書・完成工事原価報告書
■株主資本等変動計算書
■注記表
■付属明細表
■定款
■商業登記全部事項証明書
■営業の沿革
■所属建設業団体
■健康保険等の加入状況
■主要取引金融機関名
■登記されていないことの証明書
■身分証明書
■経営管理責任者の常勤性の確認資料
■経営管理責任者の経営経験の確認資料
■専任技術者の常勤性の確認資料
■専任技術者の卒業証明書
■実務経験の確認資料
■資格証等の提示及び写しの提出
■指導監督的実務経験の確認資料
■建設業法施行令第3条に規定する使用人の常勤性の確認資料
■国家資格者等・監理技術者の常勤性の確認資料
■財産的基礎の確認資料
■保険加入の確認資料
■法人・個人事業税納税証明書
※ 附属明細表については特例有限会社を除く株式会社のうち、以下のいずれかに該当する者が提出します。ただし、 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第24条に規定する有価証券報告書の提出会社にあっては、有価証券報告書の 写しの提出をもって附属明細表の提出に代えることかができます。
1 資本金の額かが1億円超であるもの
2 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額かが200億円以上であるもの
【注】 許可の更新、業種を追加する場合や申請の内容により、省略可能又は提出不要の書類や上記の書類以外にも記載内容の確認のため提示又は提出を求める場合かがありますので、詳細については提出窓口にご照会下さい。