①どのような場合に作成するのか
廃業届は、要件を欠いて廃業せざるを得ない場合や、自らの意思により廃業を行うときに提出する書類です。また、許可を受けた一部の工種の廃業や、軽微な工事の請負のみを継続する廃業等、あらゆるケースがあります。
個人事業主で許可を取得し、法人成りして事業を継続する場合は、個人事業主として「廃業届」を提出し、法人として新たに建設業許可を取得することになります。
個人事業主の死亡や合併等、ケースバイケースで必要になる添付書類は、次の通りです。
○個人事業主が死亡したとき
相続人の印鑑証明書。戸籍謄本
○法人が合併により消滅したとき
元役員の印鑑証明書、登記事項証明書
○法人が破産したとき
破産管財人資格証明書
○法人の解散
清算人の印鑑証明書、登記事項証明書
○許可を受けた建設業を廃止するとき
申請者の印鑑証明書、登記事項証明書
留意点ですが、廃業の届出は、要件が欠けたときや、廃業のときから30日以内に届けなければなりません。
②廃業届の記載方法について
当該会社は、届出書(様式22号の3)を提出した後、後任の専任技術者を確保することができなかったために、建設業を廃止する、と仮定します。次のように記載します。
①廃業届を提出する日付を記載します。作成時は空白にしておき管轄の窓口で受理されることが、確実になった際に記載します。
②大臣許可の場合は「知事」を削除します。知事許可の場合は「国土交通大臣」を削除し、許可を受けようとする都道府県名を記載します。
③法人の場合、本店所在地と商号(名称)、代表者氏名を記載し、代表者印(法人実印)を押印します。個人の場合、住所地と屋号(名称)、本人の氏名を記載し、実印を押印します。
④一部の工種を廃業する場合は「2」を、それ以外の場合は「1」を記載します。
⑤現在の許可にかかる大臣・知事コードについて、大臣・都道府県知事コード表のとおりに記載します。
⑥大臣許可の場合は「知事」を削除します。知事許可の場合は「国土交通大臣」を削除し、許可を受けようとする都道府県名を記載します。
⑦現在の許可番号を記載します。
⑧現在の許可を取得した日を掲載します。現在の許可年月日が複数ある場合は、最も古いものを記載します。
⑨既に受けている工種と、廃業する工種をそれぞれ記載します。一般の場合は「1」、特定の場合は「2」となります。
⑩この欄は記載不要です。
⑪実際に廃業した日付と、該当する廃業理由に○をつけます。
③建設工事施行中の廃業
建設工事の施行中に、建設業許可の廃業となる場合もあります。
廃業したわけですから、「無許可状態」になるのですが、施行中の工事は続けてかまいません。
そのようにしなければ、発注者に不利益が生じるからです。
また、契約締結後に建設業許可の廃業となる場合もあります。
この場合も同様に、その工事に限り施行が可能です。
ただし、無許可業者への依頼を避けたければ、発注者側からの契約解除は可能です。