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Chapter2 建設工事と請負・下請契約について 建設業の法務・労務

一括下請負の禁止

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■一括下請負の禁止とは
建設業法には、「建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない」(22条1項)、「建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負った建設工事を一括して請け負ってはならない 」(同条2項)と定められています。いわゆる一括下請負の禁止といわれるものです。

一括下請負が行われると、発注者の受注者への信用を無意味なものにしてしまう危険が生じます。建設工事の発注者が、受注者となる建設業者を選定する場合、通常はいろいろな視点で建設業者を評価します。しかしながら、受注した建設工事を一括して下請業者に請け負わせてしまうと、発注者の評価が無意味なものになってしまい、発注者は不安定な状態に陥ります。また、一括下請負が行われると、建設業界そのものに悪影響を与える可能性もあります。信用に裏づけされていない業者が建設業に入り込むことで、工事の質が落ちたり、労働条件の悪化、中間搾取の発生のみならず、工事能力のないブロカーが請け負う、施工責任があいまいになる、といった問題につながります。

では、そもそも一括下請負とはなんなのでしょうか。通常、請け負った建設工事の全部又はその主たる部分を一括して他の業者に請け負わせる場合は一括下請負に該当します。例をあげると、建築物の電気配線の改修工事において、電気工事のすべてを1社に下請負させ、電気配線の改修工事に伴って生じた内装仕上工事のみを元請負人が自ら施工し、又は他の業者に下請負させる場合などがあります。加えて、請け負った建設工事の一部分であって他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して他の業者に請け負わせる場合も一括下請負に該当します。例をあげると、道路改修工事2km分の工事を請け負い、そのうちの500m分の工事を1社に下請負させるような場合があります。ただし、そのような場合でも、元請負人がその下請工事の施工に 「実質的に関与」していると認められるときは、一括下請負に該当しないのです。

■「実質的に関与」とは
通常は、元請負人として自ら総合的に企画、調整及び指導を行っていれば、「実質的に関与」していると認められます。
というものの、単に現場に技術者を置いているというだけでは「実質的に関与」しているとはいえません。技術者は、主体となって、総合的な企画、調整及び指導を行っている状況でなければなりません。また、技術者には施工管理技士等の国家資格が必要ですあり、技術者と工事を請け負った建設業者との問には、直接的、恒常的な雇用関係が必須です。「在籍出向者」「派遣社員」「短期契約社員」「臨時職員」などは技術者になれないのです。具体的に「実質的に関与」していると判断されるためには、施工計画の総合的な企画、工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理。工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導、監督等を実際に行っていることが必要です 。

■一括下請負の禁止にも例外がある
一括下請負は禁止とされていますが、一括下請負が許容されるケースもあります。「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の適用対象となる公共工事は例外なく禁止ですが、民間工事については許されている場合があります。 一括下請負を行う前に、発注者から書面による承諾を得た場合がそれにあたります。(その場合でも 、共同住宅の新築工事については禁止です )。元請人は 発注者から承諾を得ていれば 一括下請負ができるのです。

この場合の発注者とは、建設工事の最初の注文者を指しています。下請負人が請け負った工事について 一括して再下請負で行う場合も、下請負人が最初の注文者である発注者の書面による承諾を受けなければなりません 。
発注者の承諾の書面は特定のフォームはありません。しかし、請負契約書等の中に盛り込んでおくだけでは発注者の承諾の意思表示があいまいですから、別途書面を作成して発注者の承諾の意思表示を明確にしておいた方が好ましいです。

■ 数次の請負や小規模の工事、親子会社聞での取扱い
一括請負の禁止が適用される範囲には制限はありません。ですから、一次下請と三次下請の間でも一括下請負の禁止が適用されます 。
また、すべての建設工事について適用されますから、請負金額が少額でも禁止の対象となります 。
さらに、会社聞に密接な資本関係にある場合(親会社が100% 出資の子会社に下請させるような場合 )でも、適用対象となります 。

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