①国家戦略特区とはいかなるものか
国家戦略特区とは、経済活性化のために地域限定で規制・税制を改革して、その効果を調査するために指定された特別区域のことです。この国家戦略特区には、福岡市を含め6つの地域が指定されているのです。これまで特区というものは、地方が提案したものを国が認定するという、いわばボトムアップ方式でしたが、今回の指定された国家戦略特区は国が主導権を握って、特区のテーマや地域を決定するため、かなり大胆な規制・税制改革が期待され
ているのです。
②特区ではどのような事業が展開されるのか
特区で行う事業は、大きく2つがあります。まず一つ目に、国が提示する「初期メニュー」というものがあります。そして、もう一つは自治体や民間事業者が追加で提案する「追加提案」というものがあります。追加提案された規制・税制改革に関しては、国で実効性等を確認、検討した後に、特区として取り組むことができようになるのです。
③福岡市の特区としての事業とは
福岡市の特区としての事業は、「エリアマネジメントに係る道路法の特例」、「雇用労働相談センターの設置」等が初期メニューとしてあります。また、「航空法に基づく高さ制限の緩和」、「法人設立手続きの簡素化・迅速化」等が「追加提案」としてあります。「航空法に基づく高さ制限の緩和」により、福岡市のビルが現在よりも高さが高くなれば、ビジネスの「物理的な場所」が増加することになり、起業・会社設立を促進することになるでしょう。さらに、「法人設立手続きの簡素化・迅速化」により、簡便で迅速な会社設立が促進されていくでしょう。
④特区事業開始までのプロセス
初期メニューや追加提案を活用して、どのような事業を実施するかについては、「区域会議」という会議により決定される仕組みになっています。この会議を構成するのは、国、自治体、民間事業者の三者です。区域会議では、どのように事業を実施していくのかを記載した「区域計画」を作成し、内閣総理大臣へ認定の申請をしていきます。その後、内閣総理大臣が区域計画を認定すると、事業をスタートさせることができます。