①経営事項審査とは何か
経営事項審査とは、公共事項を直接請け負う建設業許可業者を客観的に審査する制度を指します。建設業許可業者の施工能力、経営状況等を指標により評価していきます。公共工事の契約というものは、大部分が入札制度によるものです。この入札制度に参加する資格を獲得するには、
①入札参加資格要件
②客観的事項
③主観的事項
の3つのポイントを押さえておかなければなりません。
要するにこの3ポイントの中の「②客観的事項」を審査するのが「経営事項審査」となります。一般的に「経審」と略されて呼ばれます。大臣許可においては国土交通大臣に審査を受け、知事許可では都道府県知事の審査を受けます。
経審は、2つに大別されています。ひとつは、「経営規模等評価申請」、もう一つは「総合評定値請求」です。総合評定値の算出まで行うか否かは、申請者に委ねられています。
②経営事項審査のプロセス
経審では、「経営状況分析(Y点)」と「経営規模等評価(X点、Z点、W点)」の審査項目があり、これらの結果から「総合評定値(P点)」が算出されます。「経営状況分析(Y点)」については、専門的な財務諸表を中心に分析が行われます。これに対して「経営規模等評価(X点、Z点、W点)」では「完成工事高(X1)」、「自己資本額・利益額(X2)」、「技術力(Z点)」、「社会性等(W点)」を評価します。
0.25(X1点)+0.15(X2点)+ 0.20(Y点)+0.25(Z点)+
0.15(W点)=P点
なお、上記の数値は、すべての審査項目をあわせて「1」とした場合の重要度を割合で表現したものです。
これらを前提として、経営事項審査の申請等のプロセスは次のようになります。
①「登録経営状況分析機関」に経営状況分析を申請します。
②経営状況分析結果通知書を受け取ります。
③国土交通大臣や都道府県知事に経営規模等評価を申請します。
④経営規模等評価結果通知書を受け取ります。
⑤国土交通大臣や都道府県知事に総合評定値を請求します。
注)上記①の「登録経営状況分析機関」とは、国土交通大臣から審査の委任を受けた機関のことです。