■建設業許可を法人で取得(経営業務の管理責任者がいない)する一例
法人(経営業務の管理責任者がいない)で取得する一例をあげます。
○法人の状況
設立して2年が経過している。
代表取締役以外に役員はいない。
代表取締役は、個人事業主のもとで1年働いて、当該会社を設立して独立。
代表取締役は、2級建築士の資格を保有している。
この法人で、知事許可、一般、屋根工事の建設業許可を取得したい。
この場合の経営業務の管理責任者、専任技術者について考えます。
○経営業務の管理責任者
この場合は、唯一の役員である代表取締役の「経営経験」が2年ですから、建設業許可の要件である「経営業務の管理責任者」がいないということになり、許可の申請ができません。
では、どうすればいいかというと「経営業務の管理責任者」の条件を満たす方に入社してもらうのです。
コネクションで入社してもらうのも一つの方法です。
(しかし、前提として給与支払が可能な経営状況の場合に限られますが。)
例えば、個人事業主として働いている知人に入社してもらうなどのケースが考えられます。
個人事業主で5年間以上「建設業」に従事した方に、役員として入社してもらいます。
そうすることで、役員で経営経験5年以上で、「経営業務の管理責任者」の条件を満たしています。
証明書類は、個人事業主での5年以上の期間の「確定申告書」(注)と同期間中の「契約書・注文書・請求書の控え」を用意します。
注)注)税務署に申告に出向いた場合の確定申告書の控えには、収受印が必要ですが、以下のように令和7年1月以降は収受印が押印されないこととなり、建設業許可の申請窓口がどのように対応するかを注視する必要があります。
令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて
令和6年1月4日(概要)
国税庁においては、納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指し、申告手続等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX))を進めているところです。
こうした中、e-Tax利用率は向上しており、今後もe-Taxの利用拡大が更に見込まれることや、DXの取組の進捗も踏まえ、国税に関する手続等の見直しの一環として、令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないこととしました。※ 対象となる「申告書等」とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類のほか、納税者の方が、他の法律の規定により、若しくは法律の規定によらずに国税庁、国税局(沖縄国税事務所を含む。)、税務署に提出される全ての文書をいいます。
○専任技術者
代表取締役が2級建築士の資格を保有しており、この資格は屋根工事に対応しているため、専任技術者になれます。
証明書類は、2級建築士の免許証を用意します。